Contents
不登校の子どもも利用できる放課後等デイサービスとは?
放課後等デイサービスとは、障がいや発達の特性を持つ子どもたちを対象とした福祉サービスの一つです。学校の授業が終わった後や長期休暇中に、専門的な支援を受けながら安心して過ごせる居場所を提供する施設です。
「子どもが不登校になり、家にこもりがちになってしまった」「学校以外の居場所を探したい」と悩む保護者の方にとって、放課後等デイサービスは一つの選択肢となります。本記事では、放課後等デイサービスのメリットや利用方法について詳しく解説します。
放課後等デイサービスを利用するメリット
1. 学校以外の子どもの居場所になる
不登校の子どもが家にこもりがちになると、社会とのつながりが希薄になりやすくなります。しかし、放課後等デイサービスを利用することで、家庭とは異なる環境で過ごす機会を得られます。
デイサービスでは、同じような悩みを持つ子どもや支援員と交流することができ、子どもが少しずつ外の世界に目を向けるきっかけになります。「家以外に安心して過ごせる場所がある」と感じることが、不安の軽減にもつながります。
2. 生活リズムを整えられる
不登校が続くと、生活リズムが崩れやすくなります。朝起きる時間が遅くなったり、夜更かしが増えたりすると、ますます外出しづらくなるという悪循環に陥ることも。
放課後等デイサービスを利用することで、決まった時間に通う習慣ができ、少しずつ生活リズムを取り戻すきっかけとなります。
3. 専門的な支援が受けられる
放課後等デイサービスには、児童指導員や作業療法士、言語聴覚士などの専門家が在籍していることが多く、子どもの発達や特性に応じた支援を受けることができます。
たとえば、コミュニケーションが苦手な子どもにはソーシャルスキルトレーニング(SST)を行ったり、学習支援を通じて自己肯定感を育てたりするプログラムが提供されています。
4. 保護者の負担が軽減される
不登校の子どもとずっと一緒にいると、保護者の方も精神的な負担を感じやすくなります。「どう接すればいいのか分からない」「一人で抱え込んでしまう」と悩むこともあるでしょう。
放課後等デイサービスを利用すれば、子どもが過ごしている間に保護者もリフレッシュする時間を持つことができます。また、施設のスタッフと相談しながら、子どもの成長を見守ることもできます。
放課後等デイサービスの利用方法
1. 受給者証を取得する
放課後等デイサービスを利用するためには、市区町村が発行する「障害児通所受給者証」が必要です。受給者証を取得する流れは以下の通りです。
自治体によっては医師の診断書が必要な場合もありますので、事前に確認しておきましょう。
2. 放課後等デイサービスを探す
受給者証を取得したら、実際に利用する施設を探します。インターネット検索や自治体の福祉課での相談、他の保護者の口コミなどを参考に、子どもに合った施設を見つけましょう。
見学や体験利用を受け付けている施設も多いため、まずは気になる施設に問い合わせてみるのがおすすめです。
3. 施設と契約し、利用開始
利用したい施設が決まったら、契約を結び、利用開始となります。利用する曜日や時間、送迎の有無などを確認しながら、無理のないペースで通い始めることが大切です。
利用料について
放課後等デイサービスの利用には、基本的に自己負担額が発生します。ただし、費用の大部分は自治体が負担しており、世帯の所得に応じて上限額が設定されています。
一般的な自己負担額の目安は以下の通りです。
- 非課税世帯(住民税が非課税の世帯): 負担額は0円
- 課税世帯(年収およそ890万円未満): 月額上限4,600円
- 高所得世帯(年収およそ890万円以上): 月額上限37,200円
この費用には、基本的な支援プログラムの料金が含まれていますが、施設によっては別途活動費や送迎費がかかる場合もあります。詳細は利用を希望する施設に直接確認しましょう。
知っておきたいポイント
放課後等デイサービスを利用する際、以下の点についても知っておきたいです。
- 施設ごとに支援内容が異なる: 施設によって提供されるプログラムや支援の質にばらつきがあるため、見学や体験を通じて子どもに合った施設を選ぶことが重要です。
- 定員があるため希望の施設に入れないことも: 人気のある施設は定員が埋まっていることがあり、すぐに利用できない場合があります。
- 子どもが慣れるまで時間がかかることも: 新しい環境に馴染むまで不安を感じる子どももいるため、無理のないペースで慣れさせることが大切です。
- 送迎の有無を確認する必要がある: 施設によっては送迎サービスがない場合があり、通所手段を事前に検討する必要があります。
まとめ
不登校の子どもにとって、放課後等デイサービスは「安心して過ごせるもう一つの居場所」になり得ます。家庭以外の環境で過ごすことで、少しずつ社会とのつながりを取り戻し、生活リズムを整えるきっかけにもなります。
また、保護者にとっても「一人で抱え込まない」ための支援の場として活用できます。
「子どもの居場所がない」と不安に感じている方は、まずはお住まいの自治体に相談し、放課後等デイサービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
あなたにおすすめの記事
- 【解説】放課後等デイサービスとは?不登校の子も利用できるの?Contents1 不登校の子どもも利用できる放課後等デイサービスとは?2 放課後等デイサービスを利用するメリット3 放課後等デイサービスの利用方法4 利用料について5 知っておきたいポイント6 まとめ 不登校の子どもも…
- 【解説】普通教育機会確保法とは?学校以外の多様な学びを認めた法律はじめに 不登校の子どもを持つ保護者にとって、「学校に行けないことで将来に影響が出るのでは?」という不安は大きいものです。しかし、2017年に施行された「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保に関する…
- おたより#004「不登校だと社会性が身につかない」ってほんと?お子さんが学校に通えなくなったとき、多くの保護者の方が「このままで大丈夫なのだろうか」「不登校だと社会性が育たなくなるのでは?」と不安を感じることと思います。 ですが、結論から言うと 「社会性は学校だけで身につくもので…