【アンケート協力者募集】栃木県教育委員会より「学校を休みがちな子の保護者のみなさんの声を聴かせてください」

おたより #001_親御さんの味方でありたい

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こんにちは。
子どもの不登校に悩む保護者向けの無料LINE相談窓口「お母さんのほけんしつ」を運営するどばしです。
こちらの不登校専門サイトたよりでも、記事を連載させていただきます。どうぞよろしくお願いします。

「お母さんのほけんしつ」、そして「たより」を運営するのはNPO法人キーデザインという団体です。私が2016年に大学を中退し、そのまま設立したNPO法人となります。現在は、宇都宮市・さくら市の2拠点でフリースクールを運営し、外に出られない子向けに家庭訪問、そして親御さん向けのLINE相談といった事業を行っています。

今回は「お母さんのほけんしつ」を始めた理由についてお話します。

はじまりは子ども達の居場所

子どもたち

私たちは2019年にフリースクールをスタートしてから4年、この間に100名近い子ども達と関わってきました。

フリースクールに初めて見学に来たときの子ども達の表情は、どの子も緊張と不安でいっぱいな様子でした。

学校で友達や先生との間で嫌な思いをした子もいます。親子の間で、またはきょうだいの間でケンカをするなど、家庭の中でも様々なことがあります。学校に行かなくなってから、適応指導教室(教育センター)や相談室などに訪問し、そこでも良くない扱いを受けショックを受けた子も。

フリースクールに来る子たちは「今度の場所は本当に大丈夫かな」「またいろいろ聞かれないかな」「学校に戻るように言われないだろうか」そんな不安を持ちながら来てくれるのです。

でも実際に通い始めて見ると、3日で慣れて普通に会話できる子もいます。数年もの長い間、家から出なかった子も1,2カ月で笑顔が見えてくることもあります。

学校に行くかどうかではなく、今ある目の前のこの子の表情や気持ちに目を向ける。すべて受け止め、何か指導するわけでもなく、ただただ一緒に楽しい時間を過ごし、時に悔しい経験をし、ありのままの自分でいられる時間をつくります。

でもこれは第三者だからできることだとも思っています。

親がすべて担うのは難しい

私たちは保護者のみなさんに「子どものすべてを受け入れてください」なんていうことは滅多に言いません。
「子どもが何をしても自由に、ただただ全て肯定し、寄り添ってあげてください」なんていうことは言いません。
それをできたら苦労していないからです。親御さんも子どもに寄り添いたいと思っている。
けれど、将来への心配や不安があり、できない現状があって悩んでいます。

「親としてすべきことができていない」「自分なんて親失格だ」そんなふうに一人で頭を抱えている人がいるからです。
今の日本社会は、言葉にするまでもなく子育てに厳しいです。政治は子育て施策に乏しく、地域でのつながりも希薄化、核家族化が進んで、頼り先が減ってしまいました。子育てを親だけで担わねばならなくなってしまっています。

子育てに正解はありません。ついさっき子どもにかけた言葉が、子どもの将来にどう影響を及ぼすのか。何年経ったら正解が出るのか。そして家族だけでなく、地域社会の中で、学校社会の中で多様な人との関わりがあって、子ども達は多くのことを感じ、考え、成長していきます。

数百の要因が重なって、子どもは成長していくのです。「誰のせいで」なんていうことは特定できるはずがありません。でも今の社会では、子どもが悪さをしたり、他人に迷惑をかけたりすると「親が悪い」「子育てが悪い」と親の責任にされます。

私はその子と出会ったことのある全ての大人の責任だと思います。
もっと言えば、出会っていない人ですら、責任を持っていると思います。

どんな状態、状況にある人も、この社会で生きている限りは、この社会をつくっている一員です。様々なルール、制度、文化をつくっている一員です。

それを「親のせいだ」というのは無責任にもほどがあると思うのです。言葉をかけるのなら「親のせいだ」ではなく「私に何かできることはありますか」だと思います。

一緒に子育てに取り組みたい

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だから私たちはこの取組をしています。親子にしかできないこともたくさんある一方で、親子だからこそ難しいこともあります。

フリースクールもそうです。

親子だからこそ、複雑な感情もあって、本当は怒りたくないけど感情的になってしまうこともあると思います。毎日、家事や仕事で手いっぱい、夫婦でもあまりコミュニケーションをとれていない中だと、親御さんの心にも余裕はなくなります。そんな中、子どもがちょっとしたことでメンタルが不安定になっている。親御さんもイライラしますし、不安になりますよね。

私たちは第3者だからこそ、冷静になって子ども達と向き合うことができます。子ども達が騒ぐことがあっても、泣くことがあっても、キレることがあっても、私たちは親ではないからこそ冷静に状況を見極め、必要な行動に移ることができます。

でもある時、フリースクールに相談に来た親御さんが言っていました。

「実は昨日、うちの子とケンカしてしまって。つい怒鳴ってしまってそのあとほとんど会話もしていなくて、どうすればいいのかわからなくて」

「昔から夫婦の仲が悪く、ケンカする様子を子どもにずっと見せてきてしまいました。今さら夫婦でどうコミュニケーションをとっていいのかもわからないですし、子どもにも悪いことしてしまったなと感じていて。でも今さらどうすればいいのでしょうか」

そうした声を多く聞くようになり、思いました。いくらフリースクールや家庭訪問があっても、子ども達の帰る場所は家。その帰る家が安心して過ごせる場所であることが、とても大切なことなのではないか。

誰にも代わることのできない「親」という存在が、子どもの一番の味方であることが、とても大切なことなのではないか。でも私ももし親の立場だったら…。常に冷静に、余裕を持って子どもと関わることは難しいと思いました。

でも毎日その子の家に行くことはできないし、それは子どものためにも親のためにもならない。だから、子どもの不登校のこと、子育てのことを相談できるLINE相談窓口をスタートしました。

答えはない。だから一緒に考えたい。

先ほども書いた通り、答えはありません。

「これをすれば全部解決!」そんな魔法のようなレシピはないんです。

100人いれば100通りの正解があります。子どもの数だけ正解があります。でも私たちはあなたのお子さんの性格も、通う学校のことも、家庭環境も、成育歴も何も知りません。

だから一緒に考えます。

お話を伺いながら、時には感情のはけ口としての役目を果たしながら、一緒に考えます。一人ひとりにあった道を考えます。
悩みは尽きませんよね。例えば

「子どもが毎朝、腹痛を訴えて、学校に行かない」
「子どもが不登校になってから、夫婦で衝突が増えた」
「仕事に行くと、毎日パソコンを前にして子どものことが頭から離れない。昨日は急に涙が出てきて止まらなかった」
「不安定な子どもと、理解のない祖父母に挟まれていて、本当にしんどい」
「子どもが不登校になってから仕事を休職したけど、毎日子どもの姿を見てイライラしてしまっている」

もっともっとたくさんあります。
もっともっと深刻に悩んでいる方もいます。
みなさんにお願いがあります。
つい先ほど、すべての人にあてはまる正解はない、と言いましたが、1つだけ全員に共通してお伝えしたいことがあります。

ひとりにならないでください。

ひとりで考えないでください。

人を頼ってください。

身近にいなければ私たちがあなたの味方になります。

私たち相談員が、あなたの心に寄り添います。ぜひご相談ください。

そしてよければ、この記事も今後連載していきます。ご関心のあるテーマがあればぜひご覧になってみてください。みなさんの心に届くものが書けるよう、気持ちを込めて書かせていただきます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました🍀

下は、お母さんのほけんしつで運営するYouTubeチャンネルです。他にも寄せられたご相談に対する回答などをしていますので、ぜひチャンネル登録をしてご覧いただけますと嬉しいです。