2024年12月5日(木) YouTubeチャンネル「お母さんのほけんしつ」で土橋優平さん(以下:土橋さん)と下田大雅さん(以下:下田さん)が対談をしました。下田さんは、熊本県で不登校児童生徒の支援をする「ぷらっとほーむ」を運営されています。今回は居場所で大切にしていることや思いを中心に対談が行われました。
今回はNPO法人キーデザインで活動する、大学生インターンの田﨑がレポートします。
ぷらっとほーむってどんな場所?
ぷらっとほーむではどのようなことをしていますか?
生活を通して2つの願いを達成させたいと思っています。子どもたちの考えが「自分」から「自分たち」へと変わるときに、安心が生まれていくと考えています。そのため昼食・夕食の計画、調理を子どもたちとスタッフが一緒に行い、ファンダム活動(「ファン」+「フリーダム」をかけあわせた言葉。特定の興味や趣味を共有する人々が集まり、コミュニティを形成すること)やワークショップ、プロジェクト活動などをしています。
ファンダム活動、面白いですね。ぷらっとほーむに通う子どもたちへの想いを教えてください。
みんなと生活をする中で「自分たちを大切にする」という考えを育むように心がけています。「きみでいいんだよ」というメッセージを大切に、お互いがお互いを自由に授け合う(助け合う)小さな社会をぷらっとほーむで創っていきたいなと。
人は「うまれながらに素晴らしい」「きみでいいんだよ」を伝えるために、ほめて育むという考えを大切にしています。ぷらっとほーむを通して、わたしを、あなたを、わたしたちが生きるこの世界を「もっとすき」になってほしいと思います。
▼ぷらっとほーむの1日の流れ
このスケジュールはあくまで例です。10時に来て19時に帰るという決まりがあるわけではありません。好きな時間に来て、好きな時間に帰るという利用方法も可能で、1日のスケジュールもその子その時にあった形で柔軟に対応しています。
ぷらっとほーむを通して創られた小さな社会
(インターン田﨑)
ぷらっとほーむで学習支援をされている人の中には、元塾講師の保護者もいるそうです。子どもの受験が不安という保護者の悩みを、別の子どもの保護者が力となり解決していくとのこと。
ぷらっとほーむでは、子どもたち同士が繋がり支え合うだけではなく、保護者同士も繋がり支え合っていると感じました。
それだけではなく、月に1度ぷらっとほーむを利用する子どもそれぞれの学校に足を運び、その子とどのように向き合っていくかなどを先生と話し合うそうです。
ぷらっとほーむを通して、学校、保護者など子どもたちを様々な人たち、場所で育てていくそんな素晴らしい、そして新たな小さい社会がそこにはあると感じました。
語られた2人の思い
対談の中で、保護者の質問に2人が答える時間が設けられました。その中で私が強く印象に残っている2人の言葉があります。
”子どもは保護者だけで育てるものではなく、社会で育てていくもの”だと思っています。だからいろいろな機関や人が関わって子どもを育てていく、もし隣の家に子どもが産まれたら、それも私たちの子どもだ、世界の子供が私たちの子どもだ、そんなふうに思えたら子どもたちが安心して生きていける社会になると思います。
この社会ではどこか親だけが子育てをしなければいけない、親が全て子どもの責任を取らなければいけなくなっている。でも親が子どもの生きている時間すべてをコントロールできるわけじゃないし、子どもは親の所有物でもありません。親がすべてを背負うのは無理なんですよね。下田さんがおっしゃったように、世界中の子どもが自分たちの子どもだと思って社会全体で子どもを育てていく必要があると思います。
(インターン田﨑)
私はお2人の言葉を聞いて、私にできることはなんだろうと考え、まずは家の前を登下校で歩いている子どもたちに必ず挨拶をしようと思いました。通学路を歩いて学校に行き、そして家に帰って来る。保護者の皆さんからしたらこのことだけでも不安や心配になることもあるのではないかと考えました。私が通学路に立ち子どもたちを見守ってあげることで少しでも保護者の皆さんの不安などを軽減できたら嬉しいです。そして子どもたちにとっても通学路が安心した場所になってほしいなとも思います。
私のできることは微力かもしれないですし、誰にでもできることかもしれません。でもそれが良いのだと思います。私が、そしてこの記事を読んでくださっている皆さんが、それぞれのできることをし、思いを持って子どもたちを育てる社会の一員になっていければ、子どもたちが安心して自分らしく生きていける社会になっていくと私は思います。
▼YouTube対談動画の全編をご覧になりたい方はこちら
その他、参考情報
▼熊本YMCA ぷらっとほーむ ホームページ
https://www.kumamoto-ymca.or.jp/after-school/27768.html
▼熊本YMCA ぷらっとほーむ インスタグラム
https://www.instagram.com/plathome_kumamoto.ymca?igsh=ZmNvZjc3bDY2azNr
▼この記事のライター
田﨑 政寿(宇都宮共和大学2年)
記事を読んでくださり、ありがとうございます。記事だけでは伝えきれないものがたくさんあるので、ぜひ動画のほうもご覧ください!
「家」のように安心して「ぷらっと」来られる、駅の「ホーム」のようにいろいろな所から集まって次へと向かうことのできる場という2つの願いが込められて「ぷらっとほーむ」という名称になりました。