「不登校のイメージが変わった」そう参加者が語る準備セミナーとは
こんにちは、NPO法人キーデザインです!
宇都宮市でフリースクールミズタマリ、さくら市でフリースクールオハナを運営しています。
先日、栃木県宇都宮市にて「不登校準備セミナー」を実施しました。
場所はとちぎ青少年センターアミークス。参加の主な対象は「子どもが学校に通う保護者」、つまり小中学生のお子さんを持つ保護者のほとんどの方が対象でした。
このイベントは、栃木県教育委員会、宇都宮市教育委員会、株式会社下野新聞社の後援をいただき、実施しました。
今回のテーマは「子どもが不登校になったときにどう対応するか」でした。
「予防セミナー」というタイトルにしたほうが、参加者も見込めます。ですが今回「準備セミナー」としたのには、理由があります。
「うちの子が学校に行かなくなるかも」なんて考える人はほとんどいません。実際に子どもが不登校になった方の多くが「まさかうちの子が」と思います。
「不登校問題」と言われ続けることで、「不登校」であること自体が問題のように捉えられがちですが、実は問題はそこではありません。学校以外の学びの選択肢がないことが問題なのです。そうした選択肢があっても、それを選ぶことを許すことのできない社会の空気に問題があります。
「予防セミナー」とすると「学校に行かないこと」自体が問題であると示唆してしまうので、今回は「準備セミナー」としました。
2017年に「教育機会確保法」が施行、2024年には文部科学省が「COCOLOプラン」を発表され、不登校の状態にある子どもたちへの支援や多様な学び場(学校以外の学びの場)の重要性が示されました。
小中学生で約46万人が長期休み(不登校、病気や経済的理由で休む子など)をしています。約5パーセント、つまり20人に1人が長期休み。そしてある調査によると「不登校傾向」の子は全体の13%いると言われています。
※不登校傾向とは、別室登校や短時間登校、毎日耐えながら登校している子どもたちを指します。
合わせると約18パーセント。小中学生全体の5人に1人が不登校、もしくは予備軍となっていることがわかります。
一方、学校現場では、精神的な理由で休職する教員が過去最多。教員採用試験の倍率もみなさんご存知の通り、かなり低くなってきていて、学校現場の”大人”はすでに足りていない。
こんな状況にあれば、学校の先生方も子どもの心や表情に目を向ける余裕がないことは容易に想像できます。
僕らは「不登校」の持つ意味、「学校に行かない」選択をする子どものその背景をもっと知らなければいけません。子どもの声に耳を傾けなければいけません。聞いているフリではなく、声を聞き入れ、噛み締め、向き合わなければいけないのです。
この準備セミナーは、そんな本質的なことと向き合う時間にしたいと思い企画しました。
参加者は16名。
学校に通っている子の保護者、学校に行き渋り始めた子の保護者、養護教諭、支援者などの参加がありました。
代表土橋による講演や参加者同士のグループトークなど、内容は盛りだくさんでした。
参加者のみなさんからの感想を下に記載します。
現場の状況が良く伝わる内容でした。一人ひとりに真剣に向き合ってこられたからこそ出る言葉だなと感じました。私も学校が全てではないと思い、色々な大人がいる場所に連れて行ったり、習い事でのつながりを作るようにしていますが、実際自分事になればこのように考えられるかは自信がありません。今日、さまざまな居場所のことや相談先を教えていただき、感謝します。ありがとうございました。
不登校=悪いことではないと知れて良かったです。大人に余裕がない…との事ですがこのセミナーを受けて少し心に余裕が出来たように思えます。子どもと積極的に会話をしようと思います。悩んだら「お母さんのほけんしつ」に連絡させていただきます。
また、養護教諭の先生も参加されており、感想をいただいたので共有します。
印象的だった考え方
『不登校は学校に行けないことではなく、 不登校は学校に行かないこと。』
『不登校は悪いことではない』
『学校に行くことが普通のこと。普通のゾーンから外れたくないから不登校はダメなものになってしまう。』
『高校の通信制は、普通の高校に行けない子が行く高校だと思っていたが、違った。』
自由で良いですよ!という話を初めて聞きました。 不登校のイメージが変わりました。
『勉強はすぐに取り戻せるが、一度傷ついた心を取り戻すのは難しい。』
欠席が続くと、勉強に遅れちゃうと心配してしまうが、よく考えるとと確かに取り戻せる‼ 勉強の心配をしてる人に声かけしてあげようと思いました
『命の浮き輪がゲームや動画。』
ゲームを与えるからより学校に行きたくなくなると思っていました…。子供が自分を守必要なツールだったとは知りませんでした!
不登校の親の会のイメージはどうしたら子どもが学校に行けるのかと親が必死な感じでしたが、学校に行かない子どもの教育の場をどこで見つけようかという情報提供の場であることを知りました。
『多様な学びの場居場所MAP』には多様な学びの場と居場所が一覧になっていて、児童生徒に何かがあれば、こういうところも紹介できるといいんだと安心しました。
子どもが学校に行きたくないのは、何かしらのSOS。子どもと話し合いをして、問題を解決するようにしていきたいと思いました。
学校の過ごし方について、親が決めるのではなく、本人に決めさせようと思いました。学校以外に我が子がより安心して学習できる場、居場所があることをより多くの人に知ってほしいですし、この現状をみんなで把握して、より良い学びの場を増やしていきたいと思いました。
今後もまた準備セミナーを開催する予定です。次回以降、みなさまとお会いできるのを楽しみにしています!
「勉強はいつでも取り戻せる!」「不登校は、悪いことではない!!」 たくさんの人に聞かせたい内容でした。私の常識が変わりました!!ありがとうございました!!