【活動レポート】赤と青の棒を手に、子どもたちと“未来の遊び場”を探検してきました
こんにちは、たより編集部です!
「危ないからやめなさい」を言わなくていい場所を
日曜日、たより編集部はさくら市喜連川にある「まんまとちぎ」へ行ってきました。
まんまとちぎは、NPO法人ポン・テ(代表:大河原千晶さん)が運営している場所です。木々に囲まれた広い敷地で、斜面あり、木材あり、ツリーハウスあり。初めて訪れた人はたいてい「ここ、なんでもできそう!」と言ってしまうような場所です。

ここに今、「プレイパーク」をつくろうという話が進んでいます。
プレイパークは、子どもたちが自分のやりたい遊びを、自分で決めて遊べる場所です。穴を掘りたければ掘る。木に登りたければ登る。何もしないでぼーっとしていたい日は、それでもいい。そばには、ほどよい距離で見守る大人がいます。
きっかけは「まんまとちぎ」を運営するNPO法人ポン・テ代表の千晶さんのこんな想いでした。
「子どもに『危ないからやめなさい!』を言わなくていい場所をつくりたい」
この想いに共感した仲間が集まり、夏から「プレイパークゆる会議」を重ねてきました。まだお金もなく、決まっていることもほとんどありません。だからこそ、ゼロからみんなで考えています。
子どもは「お客さん」ではなく「つくり手」
このプレイパークには、はじめから大事な前提があります。ここは大人が用意して子どもに使わせる場所ではなく、子どもたちがつくっていく場所だということです。準備に集まったメンバーも、この考えに共感して参加しています。
プレイパークの原点は、1943年にデンマークで生まれた「冒険遊び場」です。そこでは子どもたち自身が遊びを生み出し、自分たちの遊び場をつくっていきました。大人の役割は、それを支えること。「子どもたちのために」ではなく、「子どもたちとともに」つくる場所だったのです。
最初のゆる会議では、大人たちからもアイデアがどんどん出ました。「砂場をつくろう」「流しそうめんもできそう」。話は大いに盛り上がりました。でも、この場所をつくるのは子どもたちです。それなら、大人が計画を立てる前に、まず子どもたちの声を聞くところから始めよう、ということになりました。
そこで今回は、子どもたちにこの場所を案内してもらい、どう見えているのか、どう感じているのかを教えてもらうことにしました。
赤い棒と青い棒をもって、いざ探検へ
使ったのは、先っぽに赤い球と青い球がついた棒です。
- 「危ないな、怖いな」と思う場所には赤い棒
- 「面白いな、好きだな」と思う場所には青い棒
子どもたちは棒を手に敷地を歩き回り、気になる場所に棒を立て、「なんでそう思ったの?」という大人の質問に答えていきます。ドイツで公園を改修するとき、小さな子どもたちの声を聞くために使われた方法を参考にしました。


棒を持った子どもたちの顔は、まるで探検隊。宝探しのように斜面を上ったり下りたりしながら、あちこちに棒を立てていきます。
大人の目には急に見える斜面も、子どもたちはほとんど気にしていない様子でした(笑)。
子どもたちは、ちゃんと危険を見つけていた
赤い棒がたくさん立ったのは、古くなったツリーハウスでした。
小さな子が転んだのを見て、「ここが危ない」「フェンスが腐ってなくなってる」。ほかにも、ブランコを漕ぐと足がひっかかる木の根っこや、急すぎる斜面に赤い棒が立ちました。

遊びに夢中な子どもは危険に気づかない。だから大人が見張っていないと――。私たちはついそう考えてしまいます。でも「危ないと思うところはどこ?」と聞いてみると、子どもたちは自分の目で危ない場所を見つけて、その理由まで話してくれました。
もちろん、安全を守るのは大人の責任です。そのうえで、子どもたち自身が危険をどう感じているのかを知ることも大切なんだと気づかされました。
ブランコには、赤と青が同じくらい立った
青い棒が立ったのは、手づくりのジップラインの終点でした。最後に止まって、ブラーンと宙に浮くところが面白いのだそうです。木の階段も「座ってひと休みできるから好き」という人気スポットでした。
そして一番おもしろかったのが、木にロープを下げただけのブランコです。ここには、赤い棒と青い棒がほぼ同じ数立ちました。

怖くてあまり近づかない子。大人がハラハラするくらい思いきり漕ぐ子。「ブランコから顔から落ちたんだ」と武勇伝のように語る男の子。年上の子たちを見て「わたしもやる!」と目を輝かせる子。
最初は怖かったのに、慣れてくるとそのドキドキが楽しさに変わっていく。ひとつの場所に「怖い」と「面白い」が一緒にある。それこそが遊びの面白さなのかもしれません。
ブランコにはあまりハマらず、大人と散策していた子もいました。その子は足元でカブトムシ(頭だけ)を見つけて大感激。「持って帰って育てる!」と言っていました。遊び方も、楽しいと思うものも、本当に一人ひとり違います。
「”こびと”をさがしたい」――子どもたちのアイデアがあふれ出す
一通り遊んだあと、「ここでどんなことができたら、もっと楽しくなりそう?」と聞いてみました。
- 自然の斜面をそのまま使った、なが〜いすべり台
- 虫取りのトラップをしかけたい
- 見つけたカエルが暮らせるおうちを、砂や水や葉っぱでつくりたい
- 木の上に秘密基地をつくって、おもちゃをいっぱい持っていきたい
- お花や葉っぱでかわいい泥団子をつくりたい
- 景色がよく見える場所がほしい
- お花畑で、ちょうちょやハチを観察したい
すべり台と虫取りトラップの話では、子どもたちが「わーわー」大盛り上がり。そして小学2年生の子からは、「”こびと”をさがしたい」という答えも。
大人だけで考えていたら、絶対に出てこないアイデアばかりです。こうした想像力や物語の世界も、大切にしていきたいと思います。


「次はいつ来る?来週?再来週?」
いまある遊具と自然だけで、子どもたちは2〜3時間ずっと遊び続けていました。帰りの車で爆睡してしまった子もいたそうです(笑)。
帰り際、最後まで残っていた子どもたちは「まだ遊びたい」「次はいつ来る?来週?再来週?」と何十回も聞いていました。
参加した大人のひとりは、こう話していました。
「子どもたちが『自分たちでつくったぞ』って胸を張って言えるようなパークになるといいな」
不登校の子どもたちの中には、まわりの目が気になって外で思いきり遊べなくなっている子もいます。親御さんも「人に迷惑をかけないかな」「ケガをしないかな」と、ずっと気を張っているかもしれません。
だからこそ、子どもが「やりたい」を叶えられて、大人も「危ない」と言わずに見守れる場所が、地域にひとつあることには大きな意味があると思います。
まんまとちぎのプレイパークは、まだ芽が出始めたばかり。子どもたちと一緒に、大人たちも少しずつ育っていく場所です。無理のない範囲で、ゆっくりあたためていきます。
準備の様子は、たよりでもまたお伝えしていきますね。












